2010年8月8日日曜日

ラバーブ

ラバーブラバーブはアラビア半島が発祥の地と云われる。
馬の毛で弦を擦って演奏する楽器は世界中のどこで生まれたかは定かではないのだけれども、アラブ圏で演奏されていた弓奏楽器が西へ東へ伝来したのは確かなようだ。

油絵キャンパスに棒を差しこんで弦を張り付けたラバーブはヨルダンやエジプトのもの。

エジプトよりもっと西へ行くと、ヘチマのような形をしたラバーブがある。ヘチマ形ラバーブはアルジェリアのもの。ジブラルタル海峡を渡り、ヨーロッパにも伝わった。

地域によって発音が違うし、文字も違うので名前はどんどん変わる。例えば、日本人は基本的にカタカナ表記できる発音しかしないので、カナで書くとラバーブ、ルバブ、ラババ、ラバーバ・・・などなど。元の発音とかなり違っているかも分からない。
さらには、弓を使わないで弦を指やプレクトラム(ピック)ではじいて弾くものも同じ名前が使われているので「ラバーブとはこれだ」と、特定しにくい。東南アジアでもラバーブの名をもつ弓奏楽器が多数ある。
弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。