2010年8月14日土曜日

サーランギ

ネパールのサーランギネパールのサーランギ
木をスコップような形に丸ごと削り出して作ってある。胴の表面には二箇所の穴があるがブリッジが配置される部分には動物の皮(羊の皮らしい)を張り付けてある。

弦は4本。弦はブリッジのところで一箇所にまとまっており、弓で4本まとめてこする。左手でメロディを担当しながら、ずっと和音を奏でているわけだ。
弦長を調節して音程を変える方法はインドのサーランギと同じ。弦を上から押さえつけるのではなく、左手の爪で横から弦に触れる。

ネパールのサーランギは、インドで使われているサーランギとは違う種類の楽器。どちらかと云うと、インドの楽器ならばサリンダに近い。また、カザフスタンのコブズもとてもよく似た構造をしている。
スコップ型の弓奏楽器について ...
弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。