2010年8月28日土曜日

カマイチャ

インドのカマイチャ
ペルシャ(現在のイランあたり)にはカマンチェ(Kamanche)
トルコにはケメンチェ(Kemenche)
そしてインドには、このカマイチャ(Kamaicha)がある。
よく似た名前で、いずれも弓で弦をふるわせる弓奏楽器だ。

むかしむかし、ペルシャが東にも西にも広大な勢力を振るっていた頃、その音楽文化はインドにも影響を与えていたに違いない。
おそらく、ペルシャのカマンチェがとてもよくできた楽器で、他の地域にもそれを真似てたくさんの派生楽器が作られて音楽を楽しんだのだと思う。

カマイチャは胴に皮が張ってあり、弦はスチールであったりガットであったりする。インドの西北部あたり、パキスタンに近い地域でよく使われる楽器。「職業的歌手が弾き語りに用いる楽器である」と書かれている文献もあった。
ということは、アメリカでいうならピートシーガー、日本でいうなら高田渡みたいなフォークシンガーがギターならぬカマイチャを奏でながら街角やライブハウス(?)で音楽活動をやっている・・・という感じか・・・違うかぁ・・・。
弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。