2010年9月12日日曜日

コビズ

コビズ/コブズ
カザフスタンは面積が日本の7倍ほどある広い国。とはいえ、どこにあるのだっけと思案される方も多いかもしれない。
日頃あまり耳慣れない国ではあるが、ともかく、コビズはカザフスタンの楽器である。カザフスタンでは切手のデザインににも使われていたりする。

私は、この形の楽器を「スコップ型」と自家分類したりしている。
スコップ型の弓奏楽器は中央アジア、インドなどで使われているのだけれども、ことコビズに関して、私は男性器を想像してしまうのだが、おかしいだろうか。そして、これを男性器と例えさせていただけるのならば、「その部分」に皮を張ってあるので包茎のチン・・・・いやいや失礼。楽器事典と名付けたページであるので、これくらいでやめておこうと冷静な判断をいたそう。

さて、コビズの弦は2本。弦はネックとの隙間が3~4センチメートルほどある。弦を上から指板に押さえつけるのではなくて、横から爪を弦に押し当てるという独特の奏法で音程を変える。爪が、スチールギターのボトルネックのような役割を受け持っているわけだ。
時代は変わって、コビズもまったく新しいデザインのものも登場している。この男性器型・・・いや、スコップ型の楽器もクラシックコビズと呼ぶことになるのかもしれない。

コビズのような日本ではあまり知られていない楽器はカタカナ表記の定番がない。コブズと表記される場合もある。
弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。