2010年9月19日日曜日

ハーディングフェーレ

ハーディングフェーレ/ハルダンゲルフィドルいっけん飾り立てたバイオリン。
ボディには草花の模様、指板とテールピースには貝細工、8個~9個あるペグ(糸巻き)には骨などで装飾されることもあるらしい。
また、ヘッドのデザインはクルクル巻いたスクロールではなくて、人の顔であったりドラゴンの彫刻であったりする。

ハーディングフェーレはノルウェーで使われている弓奏楽器だ。
英語ではハルダンゲルフィドル(Hardanger Fiddle)で、ノルウェーの南にあるハルダンゲル地方でダンスの伴奏用としてよく使われていた。そして、私たちがよく知っている「普通のバイオリン」はフラットフェーレと呼ばれているらしい。単調なフィドル/普通のバイオリンというわけだ。
なるほど、ハーディングフェーレは単調ではない。全体的に派手なデザインであることは見れば分かることだけど、構造も少し違う。ブリッジが二階建てになっていて、4本のメロディ弦の下に5~6本の共鳴弦が張られている。ペグの数が多いのはそのため。
弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。