2012年1月16日月曜日

ソー・サーム・サーイ

タイのソー・サーム・サーイ
この武器にもなりそうな形をした楽器は、タイの弓奏楽器、ソー・サーム・サーイ。タイの伝統的な器楽合奏 マホーリー では代表的な楽器。
タイ語で、ソー というのは「弦楽器」、サームは「3」、サーイは「線」。なので、ซอ สาม สาย は「3弦の弦楽器」というわけ。中国の三弦(サンシェン)、日本の三味線と名前の付け方が似てるね。

胴体に棒を突き抜けるように差しこんだ形態の弓奏楽器をスパイク・フィドルと言ったりするが、ソー・サーム・サーイもスパイクフィドルの一つだ。先っちょの尖った部分を床に置き、楽器本体をクルクル回して鳴らせる弦に弓を当てる。

ソー・サーム・サーイの胴体はヤシの殻でできていて、表面にはヤギとかヒツジの皮が張ってある。おそらく、この楽器は、中東アラブ・イスラム諸国のラバーブという楽器が東南アジアに伝わったのだと思われる。イスラム諸国と東南アジアは遠く離れた地域ではあるけれども古くから交流があったようで、東南アジアにはラバーブというそのままの名前で使われている楽器もあったりする。
弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。