2013年4月20日土曜日

ク・ニー

ベトナムの ク・ニー K'ni
ベトナムの ク・ニー
ベトナムの弓奏楽器である。
楽器そのものは、木とか竹に弦を取り付けただけの簡単な作りだけど、演奏方法がなんともユニーク。

メロディを弾く弦の他に、宙ぶらりんの弦が1本伸びている。これは、震える弦のエネルギーを演奏者の口まで持っていくための弦(正確には弦とは呼ばないほうがいいかも)。口が共鳴箱だ。
口の形を変えることでで音色も変わる。まるでしゃべるような音をだすことができるんだね。


弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。