2013年10月5日土曜日

アルペジョーネ

アルペジョーネ arpeggione
アルペジョーネ Arpeggione
ギターを弓で弾こうとするとこういう楽器になる。
ヨーロッパでギターを作っていたシュタウファー(Staufer)というい人が45歳か46歳か...そんな頃、ギターを弓で弾く楽器を作った。1824年とある。
カマボコ形に丸みを持たせた指板にはフレットが高音部まで配置されている。6本弦で、ギターと同じチューニングだ。

シューベルトは、この楽器のために「アルペジョーネ・ソナタ」という曲を書いており、ヨーロッパ各地でギター・バイオリンとかギター・チェロとも呼ばれ、人気のある楽器だったようだが、10年間ほどで廃れてしまったらしい。
フレットがあるのは音程を決めやすく利点のあるのだけど、奏者のテクニックが発揮できない。ビブラートが効かないので深みがない。軽い音になってしまうのは弦の張りが弱かったせいもあるだろう。
てなわけで、シューベルトの曲はチェロで代用するようになった。

ただ、この楽器を現代のポップスなどに使う方法もある。ギターコードのフォームを習得しているギタリストなら、一人でストリングス和音を響かせることができる。
あ、それならギターを弓で弾くのと同じじゃないかって。
そりゃそうだ。でもね、ギターの弦をバイオリンの弓でこすっても、か細くていい音がしない。ブリッジを高くしてやる必要があるのかな。それなら、ポップス用のアコースティック・ストリングスとしてアルペジョーネ・タイプのフレット付弓奏楽器が復活してもいいのにね。

弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。