アルペジョーネ Arpeggione |
ヨーロッパでギターを作っていたシュタウファー(Staufer)というい人が45歳か46歳か...そんな頃、ギターを弓で弾く楽器を作った。1824年とある。
カマボコ形に丸みを持たせた指板にはフレットが高音部まで配置されている。6本弦で、ギターと同じチューニングだ。
シューベルトは、この楽器のために「アルペジョーネ・ソナタ」という曲を書いており、ヨーロッパ各地でギター・バイオリンとかギター・チェロとも呼ばれ、人気のある楽器だったようだが、10年間ほどで廃れてしまったらしい。
フレットがあるのは音程を決めやすく利点のあるのだけど、奏者のテクニックが発揮できない。ビブラートが効かないので深みがない。軽い音になってしまうのは弦の張りが弱かったせいもあるだろう。
てなわけで、シューベルトの曲はチェロで代用するようになった。
ただ、この楽器を現代のポップスなどに使う方法もある。ギターコードのフォームを習得しているギタリストなら、一人でストリングス和音を響かせることができる。
あ、それならギターを弓で弾くのと同じじゃないかって。
そりゃそうだ。でもね、ギターの弦をバイオリンの弓でこすっても、か細くていい音がしない。ブリッジを高くしてやる必要があるのかな。それなら、ポップス用のアコースティック・ストリングスとしてアルペジョーネ・タイプのフレット付弓奏楽器が復活してもいいのにね。