2014年1月4日土曜日

キット / ポケットバイオリン

キット / ポケットバイオリン (pochette)
キット kit
小さなバイオリン。18世紀ごろのヨーロッパの古楽器である。

ポケットに入れて持ち歩けるということで、ポケットバイオリン・・・フランスではそのまま ポシェット と呼んでいたらしい。まだ音響機器なんぞなかった時代、ダンスの教師なんかがポケットに入れてた。ダンス教室では、ポケットからおもむろに この細長いバイオリンを取り出して演奏。ツータカ・ツータカとメロディをかなでながらダンス指導をしていた。
とか、云うけれど・・・いくら小さくてもポケットに入るかな。細身ではあるけれど長さは通常のバイオリンとあまり変わらない。コートの内側にでっかいポケットがあれば、収まらないことはない。でも、わざわざポケットにいれて持ち歩く必要もあるまい。
ポケットに入るくらい小さな ・・・ という意味なんだろうと思うのだけれど、どうなんだろう。

2種類のデザインがある。
レベックの形状を採用したもの(上)と、バイオリンの形状を採用したもの(下)。いずれにしても、4弦の通常のバイオリンと同じ演奏方法である。


弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。