2014年1月16日木曜日

リラ・ダ・ガンバ

リラ ダ ガンバ lira da gamba (lirone)
リラ・ダ・ガンバ lira da gamba
16世紀前後のヨーロッパの古楽器。
糸巻きが前面から押し込まれているこのタイプの弓奏楽器を lira と呼んでいたようだ。リラ・ダ・ブラッチョとか、リラ・ダ・ガンバとかがあった。ブラッチョは腕で、ガンバは脚。なので、リラ・ダ・ガンバは脚のリラである。楽器を立てて脚の間に挟んで演奏する。

それにしても弦が多すぎる。
共鳴弦も張られているので、余計に多いのだけれど、演奏用の弦だけでも10本以上ある。これでは弓で個別の弦を選択するのはすこぶる困難である。
でも大丈夫。
この楽器は主に伴奏用に使われたそうで、複数の弦を同時に鳴らして和音を奏でるのが目的。ネック(指板)にはガットのフレットが巻かれていて、複数の弦の音程を変えることができる。ブリッジは、やんわりと R が付いているので、弓の毛は3~4本の弦を同時に擦ってたんじゃなかろうか。
古楽器演奏をYoutubeで見たんだけれど、ピッチカート(指ではじく)も多用して演奏していた。ギターのアルペジオみたいにね。


弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。