2014年4月1日火曜日

ビオロンチェロ・ダ・スパッラ

ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ Violoncello da spalla
ビオロンチェロ・ダ・スパッラ
チェロである。
なんでこれがチェロなんだ。弦は5本もあるし。
でも、 Violoncello da spalla なのである。

ビオロンチェロというのはチェロの正式名。スパッラというのは肩のことらしい。
で、「肩のチェロ」という名が付いている弦楽器。

胴体は分厚くてどっしりとした感じ。低音を十分に響かせるためだろう。顎で挟んで演奏は無理なので、ストラップでぶら下げて胸のあたりで構える。

ビオラ・ポンポーサ (Viola pomposa)とも。

ちなみに
Violin は 「バイオリン」と「ヴァイオリン」のどちらもカタカナ表記があるけれども、何故か Viola は「ヴィオラ」であって「ビオラ」の表記はほとんど見当たらない。
V音を表すのに「ヴ」を用いるのは、福澤諭吉の発案「福澤全集緒言」の証言による(Wikipedia)、とある。それでもね、徹底されていないのでちょっと困ったもんだね。正確に表記しようという意味は分かるんだけでど、なぜそうしないといけないのかの意味が分からない。「ヴ」を使うことによって何か便利なことがあるのだろうか・・・「ヴァ」と書いてあっても「バ」と発音するし。


弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。