2018年1月15日月曜日

フシュタール

フシュタール khushtar
フシュタール khushtar
中国の西側、様々な文化が混ざり合っている地域・・・・新疆ウイグルには、アラビア圏の影響を受けた楽器が多い。
フシュタールはそのひとつ。弦を擦って音を出す。弦は4本。
ヘッド部分には鳥の彫刻があって、指板や表板の文様も手がこんでいて、なかなか美しい造り。私達が知る中国中国したデザインとはちょっと異なる。胴の底は寄木細工で丸くなっている。これはアラブ圏にあるウードからの伝統かもしれない。
エンドピンには膝に載せて固定するためのスタンドがついていて、楽器を垂直に立てて演奏する。
胴のウェスト部分の左右はスプーンで切り取ったようにへこんでる。これは、弓がそれぞれの弦にキッチリと接触するするために角度を変える必要があり、弓が胴にぶつからないようになってるわけだ。
現在のバイオリンと同じ調律を採用しており、弓も入手し易いバイオリン用を使うことが多くなってきている。 ただし、弓の持ち方は伝統通り下から握る。

弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。