このあたりの楽器は、ペルシャやトルコの文化と中国の文化、もちろんウイグル特有の文化が融合して、ハイブリッド化しているようだ。ハイブリッド化して個性が薄まるのではなく、ウイグルには個性的な楽器が揃っている。弓奏楽器のギジェクもそのひとつ。
もともとこの楽器がそうだったのか、グローバル化をはかるためにそうしたのかはよく分からないけでども、チューニングはバイオリンと同じだ。4本の弦は5度間隔に合わせてある。さらに、最近では弓はバイオリン用の弓を利用している。
どうも個性を保つこととグローバル化の両立は難しいようである。
たしかにバイオリンの弓は改良に改良を重ねて現在の逆反り形になったのだし、量産されているので安く手に入るのだろう。機能面も品質面も価格面も安定しているなら、バイオリンの弓を使いたくなるよね。
膝の上に立てて演奏するので、太ももの上に固定できるようにエンドピンの先端には三日月形の金具がついていて、楽器本体はエンドピンの軸上でクルクル回るようになっている。弦を移動する方法は、弓で角度を付けるのではなくて楽器本体を回して弦に接触させる。
ウイグルの楽器 ...