2010年7月23日金曜日

ギジェク

ウイグルのギジェク新疆ウイグルで使われている楽器。

このあたりの楽器は、ペルシャやトルコの文化と中国の文化、もちろんウイグル特有の文化が融合して、ハイブリッド化しているようだ。ハイブリッド化して個性が薄まるのではなく、ウイグルには個性的な楽器が揃っている。弓奏楽器のギジェクもそのひとつ。

もともとこの楽器がそうだったのか、グローバル化をはかるためにそうしたのかはよく分からないけでども、チューニングはバイオリンと同じだ。4本の弦は5度間隔に合わせてある。さらに、最近では弓はバイオリン用の弓を利用している。
どうも個性を保つこととグローバル化の両立は難しいようである。
たしかにバイオリンの弓は改良に改良を重ねて現在の逆反り形になったのだし、量産されているので安く手に入るのだろう。機能面も品質面も価格面も安定しているなら、バイオリンの弓を使いたくなるよね。

膝の上に立てて演奏するので、太ももの上に固定できるようにエンドピンの先端には三日月形の金具がついていて、楽器本体はエンドピンの軸上でクルクル回るようになっている。弦を移動する方法は、弓で角度を付けるのではなくて楽器本体を回して弦に接触させる。


弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。