
弦を擦って音を出す楽器はセイロンのラバナという王様が作ったのが最初なのだよ、という説。
セイロンは今のスリランカでインドの南にある大きな島。4000年か5000年かしらの遠い遠い昔、そこで出来上がったのがラバナストロン。それが世界最初の弓奏楽器だよというわけ。
その楽器は、丸い筒に動物の皮をはりつけて、筒には棹を差しこんである。2本の弦を弓でこすりつけて楽曲を奏でる。これはフランスの旅人が綴った『東インドとシナの旅』に記されたことで、ヨーロッパでは有名になったというこどだ。
とはいえ、ラバナ王が本当に実在した人物なのかとか、紹介されている楽器がいい加減だったりで、真実のところは分からないらしい。
現在、ラバナストロンというと、中国の「京胡」とか「二胡」とか、そんな形をしていて・・・・いや、京胡とか二胡とかズバリそのままの形をしているものが紹介されてる。これは、たしかにすこぶる怪しい。
以上のごとく、正と異論さまざまなので、セイ・イロンが短縮されてセイロンとなったという説は、それなりの根拠があって信用できる。