スコップ型の弓奏楽器
ペルシャのゲイチャク、カザフスタンのコブス、インドのサリンダ、ネパールのサーランギ。これらは、名前がそれぞれ変化しているけれども、みんな同じ祖先をもつ楽器。

「スコップ型」というのは私が勝手につけた分類名だけれども、園芸などに使うスコップによく似ているよね。一本の木材から削り出して、胴の表面には共鳴用に動物の皮を貼りつけてある。皮は、全面に貼りつけづにブリッジを取り付ける面だけに貼りつけてあるのが特徴だ。
弦鳴楽器(弦楽器) ├ 撥弦楽器(はつげんがっき) │ ├ リュート属 │ ├ チター属 │ └ ハープ属 │ ├ 擦弦楽器(さつげんがっき) │ └ 弓奏楽器(きゅうそうがっき) │ ├ リュート属 │ └ チター属 │ └ 打弦楽器(だげんがっき) | 弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。 (1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。 (2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。 (3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。 で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。 そうです。その通り。 じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。 例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。 |