2023年8月19日土曜日

インドの弦楽器(弓でこする)

 

Indian bowed string instruments

1. dilruba 

2. sarangi

3. esraj

4. mayuri veena(taus)

5. kamaicha

6. ravanhatta

7. sarinda


2023年7月9日日曜日

ガイチャク

 gheychak

ガイチャク

ガイチャクは、イラン/アフガニスタン/パキスタン/タジキスタンなどで使われている弓奏楽器弦。
胴体は一体の木から削り出されており、二つのチャンバー(音響のための空洞)を持つ。一つのチャンバーはオープンで、もう一つは皮張りでブリッジが置かれる。

下記のような、チェロを模したような低音のガイチャクもある。

低音のガイチャク
インドには サリンダという楽器があり、同様の構造を持っている。


2023年6月11日日曜日

カラブリア リラ

 Calabrian lira

Calabrian lira カラブリア リラ
Calabrian lira

カラブリア リラ (リラ カラブレーゼ) は、イタリア南部のカラブリア州の伝統的な弦楽器。

古い時代の楽器だけれども、この楽器を復活させ新しく制作するメーカーもあるらしい。

The Calabrian lira (lira Calabrese) is a traditional bowed string instrument characteristic of some areas of Calabria, region in southern Italy.





2023年4月9日日曜日

クロアチアのリラ

 リジェリカ lijerica

リジェリカ lijerica

リジェリカは、クロアチアの弓奏楽器。弦は3本で、膝に立てて演奏する。

12世紀またそれ以前は リラもフィドルと同様に 弓奏弦楽器としての総称として使われたようだ。この楽器もリラという弓奏楽器弦ということで「クロアチアン・リラ」とも呼ばれる。

2023年3月2日木曜日

ブルガリアの弦楽器

ガドゥルカ gadulka

ガドゥルカ (ブルガリア語: гъдулка) は、ブルガリアの伝統的な弦楽器。
3本のメロディ弦を持ち、その下に共鳴用の弦が10本(またはそれ以上)が張られている。


ブルガリアの楽器。ガドゥルカ gadulka гъдулка
ガドゥルカは膝に立てて演奏する
この楽器の祖先は、9世紀 ビザンチンの弦楽器だと云われている。
ガドゥルカ以外にも、少し形状の異なる楽器が数多くあり、イタリアからバルカン半島諸国、さらにトルコやウクライナにも同じ祖先を持つ兄弟楽器がある。

兄弟楽器は下記のような特徴がある。
弦が3本の弓奏弦楽器。膝に立てて演奏する。ナットが無く糸巻きの棒から直接弦がブリッジまで延びている。弦を爪で横から押さえる演奏方法。


2023年1月9日月曜日

スウェーデンの弦楽器

 ニッケルハルパ nyckel harpa

ニッケルハルパ nyckel harpa

ニッケルハルパは、スウェーデンの民族楽器で 弓で弦を擦って音を出す。特にウップランド地方(Uppland)では、古くからニッケルハルパによる音楽が受け継がれているという。

棒状のキーを押すと、小片(タンジェント)が弦を押さえ、フレットの役割として振動する弦長を変更するようになっている。

たくさんの弦が張られているが、弓を当てて演奏する弦は4本。他の弦は共鳴弦だ。


ニッケルハルパに似た楽器

2022年12月18日日曜日

インドの弓奏楽器は弦がいっぱい

 ディルルバ dilruba

ディルルバ dilruba
ディルルバ
ディルルバはインドの弓奏楽器。
胴の表面には皮を張ってあり、同じくインドのエスラジとよく似ている。ネックがとても太い。太いネックのアーチ状のフレットがあり、フレットのしたには共鳴弦がいっぱい(20本ほど?)張り巡らされている。共鳴弦が張り巡らされているのはインドの弦楽器の特徴ではあるけれど、ディルルバは、もうこれ以上、糸巻きペグを付けるスペースがないぞ、というくらい共鳴弦だらけだ。

フレットは指板上にくっついていないので弦を押さえるとチョーキング(ピッチベンド)がかかる・・・はずなのだけど、なぜかあまりチョーキングを多用しないみたい。
ほとんど一本の弦を擦りつけて鳴らす。弦を押さえる左手の指は一本の弦の上を滑らすようにして なだらかに音程を変える。
ディルルバは主にインドの北部での呼び名のようで、エスラジという少し本体部が小柄になった楽器もある。


2022年11月16日水曜日

トゥアレグ族の一本弦楽器

 インザド

インザド inzad imzad アムザド amzad
トゥアレグ族はアフリカ・サハラ砂漠の西部あたり、主にアルジェリア、マリ、ニジェール、などに住む民族。
トゥアレグ族には個性的な1本弦の弦楽器がある。
その弦楽器はインザド(imzad inzad または アムザド amzad)とよばれ、女性が演奏する楽器だそうだ。楽器を製作するのも女性が行っている。
インザドは大きな瓢箪を半球形に加工して表面に獣の皮を張ってある。ブリッジは細い木の棒を2本、山形に立ててある。弓奏弦楽器であり、弓の毛も弦も馬の毛を使っている。

インザドを演奏するトゥアレグの女性
インザドを演奏するトゥアレグの女性
インザドは女性専用の楽器とされている。主に歌の伴奏として演奏されている。

2022年10月31日月曜日

ジャン・マルク・ナティエ 画『王女アンリエットの肖像』

ビオラ・ダ・ガンバ
viola da gamba

ジャン・マルク・ナティエ 画『王女アンリエットの肖像』
王女アンリエットの肖像
脚の間に挟んで演奏するということで、現在のチェロととても似た楽器だ。
似ているけれども、いろいろと違うところがある。
  • チェロの弦の数は4本だが、ビオラ・ダ・ガンバは、6本または7本。
  • チェロにはフレットが付いていないが、ビオラ・ダ・ガンバにはフレットが付いている。
  • チェロには支えるためのエンドピンが付いているが、ビオラ・ダ・ガンバには付いていない。
  • チェロの弓は「逆ソリ」の形をしているが、ビオラ・ダ・ガンバは外側に丸く曲がっている。
  • チェロの弓を持つ右手は、上から弓を支えるが、ビオラ・ダ・ガンバは下から鉛筆を持つようにして支える。
  • チェロの胴体は「いかり肩」だが、ビオラ・ダ・ガンバは「なで肩」。
  • チェロの響孔は、「f字形」だが、ビオラ・ダ・ガンバは「C字形」。
また、古い時代の弓奏弦楽器はガット弦を使っているが、現在の楽器のほとんどはスチール弦を採用している。

viola da gamba は イタリア語で、この名前が一般に知られている。
ジャン・マルク・ナティエはフランスの画家なので、この楽器はビオール(viole)と呼ぶほうがいいのかもしれない(viole は、フランス語)。

本ページのイラストは、ジャン・マルク・ナティエ(Jean Marc Nattier)『王女アンリエットの肖像』をイラストに描き直したものです。



2022年9月16日金曜日

スパイクフィドル

 ギジャク ghijak

ギジャク ghijak
ウイグルの伝統的衣装で ギジャクを演奏
ギジャクは、おもにウイグル人に愛用されている弓奏楽器。スパイク・フィドル(ネックからエンドピンまでが一体になり音響胴を貫いている)の一種。
4本弦で、膝の上に立てて演奏する。
古代ペルシャの楽器「ケマンチェ」が シルクロード交易路により東方(現在の中国西部 新疆ウイグル自治区に伝わったと思われる。


2022年8月15日月曜日

小さなバイオリン

ポシェット
pochette

小さなバイオリン ポシェット  pochette
薄い木板を組み合わせたポシェット

ポシェットは、弓を使う弦楽器。それは、ポケットに収まるように設計されたおり細く小さな音響胴を持っている。そのため一般名は「ポシェット(ポケットの意)」と呼ばれている。本当にポケットに入れて持ち歩いたかは疑問があるが。

小さなバイオリンであるため、子供向けとも誤解されることもあるようだが、大人のために考案されている。

ポケットフィドルとも呼ばれ、15 世紀頃から 19 世紀頃にかけて...特に1800 年代に人気があった。宮廷や貴族の舞踏での伴奏、また、ストリート ミュージシャンにも使われた。

ポシェット  pochette キットバイオリン kit violin
舟型に削り出したポシェット

ポシェットには様々な形があり、木の板を音響箱に組み合わせたもの(つまり、現在のバイオリンと同じ作り)や、木材を舟ような形に削り出したタイプ(sardinos)がある。



2022年8月1日月曜日

擦弦楽器/弓奏楽器

chordophone
bowed string instruments


擦弦楽器/弓奏楽器 bowed string instruments
弦を擦って音を出す楽器
弦を擦って音をだすものを擦弦楽器という。
弓状の棒に馬の毛などを取り付けた道具で弦をこするので弓奏楽器という表現もある。
ただし、木の棒そのもので擦る場合もあったり、クルクル回る円盤でこするものもあるので、この場合は弓奏楽器ではないんだね。


2022年7月8日金曜日

ビオラ・ダ・ガンバ

Ancient European Musical Instrument
Viola da gamba

ヨーロッパのルネッサンス時代・バロック時代の弦楽器として ビオラ・ダ・ガンバは、よく知られている。

Ancient European Musical Instrument Viola da gamba
viola da gamba は、イタリア語で、脚のビオラ。固定するために本体を両脚に挟んで演奏することからこの名前で呼ばれている。
英語では viol(ビオール)とも呼ばれ、高音から低音まで4種類ほどの大きさ楽器が存在していた。
また、vielle や vihuela という名前の楽器もあり、弓奏楽器だけではなく撥弦楽器であったりで、あれこれ弦楽器の名前として「viなになに」という名称は時代の流れ、地域によって幅広く使われてきた。現代のオーケストラで使われている viola(ビオラ)も同じ語源。

こんなわけで、viol(ビオール)と言われても、どの楽器のことなのかよく分らない。だから、この楽器には ビオラ・ダ・ガンバ というイタリア語名称がよく使われるのかも。
ビオラ ダ ガンバを演奏しているミュージシャンのイラスト

前述のように、ビオラ ダ ガンバは 脚に挟んで演奏する。エンドピン(支えるための棒)が無いため、がっちりと支える必要があるようだ。
弦は6本 または7本。ネックにはフレットがある。このフレットはガットをネックにくるりと巻いてある。ネックがあることによって、3本、4本の弦を同時に押さえてイッキに擦るという奏法が可能。和音を構成した音で演奏もできるわけだ。
また、フレットがついていないハイポジションも使う。この場合は現在のチェロのようにビブラート効果を多様することができるわけだ。



2022年6月9日木曜日

ポーランドの古楽器は「メス犬」?

スカ suka 

スカは ポーランドの古い時代の楽器。英語でポリッシュ・フィドル(Polish fiddle)とも呼ばれている。
近代では使われなくなっていたが、製作図面が残っており愛好者が復活させ、少数の演奏者がいる。

ポーランドのスカ
ポーランドのスカ
ポーランドでは、少なくとも10世紀から、初期の形のバイオリンや、弦を弓で導くことによって音が得られる他の楽器が知られています。
現在、主に考古学的発見のおかげで、ポーランドで生き残ったいくつかのユニークな弦楽器の構造が知られています。
1985年にプウォックで掘り出された15世紀の6弦楽器などのオリジナルの楽器は、プウォックフィドルとして知られています。
スカは最も長く使用されていましたが、19世紀にはまだ民族楽器として使用されていました。その起源またはその有病率の程度についての特定のデータはありません。
(以上はSukaについて ポーランド語Wikipediaより)

スカは、膝に置くか、ベルトで固定して垂直にして演奏する。 幅の広いネックが特徴的。弦は3本、または4本で、指板に押さえ込むのではなく指の爪で横向きに弦を押さえる。
胴体はバイオリン属やビオール属の形状で、幅広ネックはアジア系という不思議な形状。これは、アジアの楽器がヨーロッパの楽器に変わる過程で生まれた楽器かもしれない。

ちなみに、 Suka はポーランド語で「メス犬」のことのようだ。たまたま同じ綴りになったのか、この楽器に「メス犬」という名前を付けたのかは定かではない。



2022年5月21日土曜日

空き缶の弦楽器

 ซอปี๊บ
saw peep

タイランドの弦楽器

ซอปี๊บ saw peep  タイランドの弦楽器
一斗缶がボディのソーピープ
ソーピープは、金属缶(日本でいう一斗缶だろうね)を共鳴胴にしている。木の棒を突き抜けるように差し込んで 2本の弦を張ってある。弦は自転車のブレーキ・ワイヤーを使うこともあるという。
弓で弦を擦って音を出すが、弓の毛は弦と弦の間に挟まっている。
タイ北東部のイサーン地方で演奏されている。とはいえ、空き缶を弦楽器にするという発送は世界中にあるだろうから、他の地域でも似た楽器で楽しんでいる人も多いんじゃないかな。

タイには、他にも「Saw なんとか」という弓奏の弦楽器がいろいろある。

タイの弓奏弦楽器 いろいろ
タイの弓奏弦楽器 いろいろ



2022年4月24日日曜日

ネイティブアメリカンのフィドル

 アパッチフィドル
Native American fiddle


アパッチフィドル Apache fiddle/Native American fiddle
Apache fiddle

The Apache fiddle is a bowed string instrument used by the indigenous Apache people of the southwestern United States. 
アパッチフィドルは、米国南西部の先住民族のアパッチ族が使用していた擦弦楽器。

The instrument consists of a plant stalk, such as that of the agave.
この楽器の本体は、米国南部からメキシコの砂漠に育つ竜舌蘭(リュウゼツラン agave)という植物の茎でできている。
弦も弓も馬の毛を使っており、弦は1本(2本の場合も)。

Apache fiddle とか Apache violin というのは英語圏のだれかが付けた名称だろうけど、先住民は「歌う木 tsii'edo'a'tl」とかいう意味を持つ名で呼んでいたらしい。



楽器の名前一覧

弓奏楽器の名前

アジェン(牙箏)

アパッチ・フィドル

アルペジョーネ

イギル

インザド

エスラジ

オルガニストルム

オルトゥ

かくこ(革胡)

カマイチャ

カマンチェ

カラデニズ・ケメンチェ

ガドゥルカ

キット

きょうこ(京胡)

キングリー

ギジェク

クーチョー

ク・ニー

クルース

クレタン・リラ

グスレ

ゲイチャク

こきゅう(胡弓)

ゴジェ

コブズ

コントラバス

サーランギ/インド

サーランギ/ネパール

サリンダ

シャナガン ホール

スカ

ストロー バイオリン

ソー・ウー

ソー・サム・サイ

ソー・バン

タラワンサ

タウス

チカラ

チャガネ

チュニリ

チェロ

チョンフー(中胡)

ディルルバ

トロンバマリーナ

にこ(二胡)

ニッケル ハルパ

ニニェラ

ハーディガーディ

ハーディングフェーレ

バイオリン

バイオリン・ウケ

バリトン

ビオラ

ビオラ・ダ・ガンバ

ビオラ・ダモーレ

ビオロンチェロ・ダ・スパッラ

フシタール

プサルテリー

ヘグム

ホイールハープ

マセンコ

モリンホール

ヨウヒッコ

ラヴァナハッタ

ラバーブ

リットグイット

リラ・ダ・ブラッチョ

リローネ

レベック

2022年3月6日日曜日

竪琴のような形をした弓奏弦楽器

 この形状の弦楽器は、古い時代にリラとかライアとか呼ばれていた形。いわゆる竪琴であるが、これを弓で弾くという楽器がヨーロッパにある。特に北欧で愛された楽器だ。

弦をこすって音を出す弦楽器は一般的には「有棹弦楽器」とかいう聞きなれない名称が付いていて、棹(さお:つまりネックのことだね)があるのが普通だが、ここで紹介する楽器はリラ(竪琴)の形をしていて、棹(ネック)が無い。

現在では、ほとんど廃れてしまった楽器であるが、復活させて楽しんでいるミュージシャンもいる。

ヨウヒッコ

ヒーウカンネル

シェトランドグー

クルース


ヨウヒッコ

jouhikko ヨウヒッコ
jouhikko
ヨウヒッコは、フィンランドの弓奏弦楽器。
3本の弦をいっぺんに弓で擦って、3本とも同時に音を出す。メロディは、一番手前の弦に指を当てて音程を変える。


ヒーウカンネル

hiiukannel ヒーウカンネル
hiiukannel
ヒーウカンネルは、エストニアやフィンランドで使われていた竪琴形の弓奏弦楽器。
エストニアの楽器は角ばった長方形で、まあ、あまりデザインにはこだわっていなかったようだ。
ちなみに、ヒーウ(Hiiu)とは、エストニアの地域の名前。バルト海にある島(Hiiumaa)だ。カンネルは弦楽器のこと。
なので、日本語表記するとヒーウ・カンネルは「ヒーウ琴」というところか。「津軽三味線」みたいな名付け方だ。


シェトランド グー

shetland gue  シェトランド グー
shetland gue
ーは、シェトランド諸島で使われてきたリラ型の弓奏弦楽器。シェトランド諸島はイギリスとノルウェーの間にある群島。
この楽器も、ヨーロッパの北部ノルウェー、スウェーデン、エストニア、フィンランドなどで使われてきた、擦弦楽器と同系列だろう。 アイスランドの擦弦楽器にもっとも近いとも云われている。


クルース

crwth クルース
crwth
クルースは、竪琴の形であるが、ネックが備わっている。
ヨーロッパではクロードとかクロットとか、名前はそれぞれだけど流行りの楽器だったようだ。
ウェールズでは、18世紀ごろまで民族楽器として愛されていたそうな。






2022年2月10日木曜日

ガムランの弓奏弦楽器

 ルバブ rebab

インドネシアのガムランは、青銅や木製の打楽器を中心に演奏する民族音楽を指す名称。
ガムランの楽器は、他の音楽では ほとんど使うことがない個性的で独創的なものが揃っている。
打楽器中心であるが、弦楽器もある。その一つがルバブ。

インドネシア ガムランのルバブ rebab
床に立てて演奏するガムランのルバブ

ルバブという名前は、アラブ圏全体で使われている「ネックが備わる弦楽器」の総称のような名前で、エジプト、そして地中海沿いの北アフリカでもこの名前が使われている。
ただし、地域ごとに方言があって、似てはいるものの若干違う名前が多く存在している(ラバーブ、ラババなど)。

インドネシアもアラブ圏の文化が濃い地域であるので、ルバブという名前が使われているのだろう(ルバブという名前は日本語カタカナなので、この発音が正しいのかもよく分らないのだけど)。

ガムランのルバブは、チーク材で作られた音響ボックス本体の表面には皮が張られていて、裏側は装飾された布をかぶせてある。
弦は真鍮が使われていて、張りが弱いためか、あまり煌びやかな音とはいえないかもしれない。


2022年1月4日火曜日

インドネシアの弓奏弦楽器

 コンガヤン

The kongahyan is an Indonesian musical instrument played by drawing a bow across one or more strings. 

コンガヤンは、インドネシアの楽器、2本弦を弓で擦って演奏する(弓奏楽器)この楽器は、それらの島々でのショーのために演奏される。

音域の違いによって、スコン、テヤン、コンガヤンがあり、これらの中でコンガヤンは一番高い音域を持っている。

コンガヤンは、中国の楽器(二胡)が伝来したのだと思われる。

本体音響箱は、竹、またはココナッツの殻でできており、現在ではココナッツの殻が多く使われている。

コンガヤン Kongahyan

音域の違いによって、スコン、テヤン、コンガヤンがあり、これらの中でコンガヤンは一番高い音域を持っている。

インドネシアの楽器。スコン /テヤン/コンガヤン
スコン sukong /テヤン tehyan/コンガヤン kongahyan






2021年12月5日日曜日

スラウェシ島の弓奏楽器

 ケソケソ kesokeso

kesokeso ケソケソ
ケソケソの奏者

ケソケソは、インドネシア・スラウェシ島で愛用されている弓奏弦楽器。
「ケソ Keso」や「ケレケレ・グラン Kere-Kere Galang」という名称でも呼ばれている。
共鳴器本体は、南アジアで多く栽培されているジャックフルーツ(パラミツ)の木でできており、表面は獣の皮が張り付けられている。

Keso keso is a traditional bowed string instrument, originally from South Sulawesi. 
The origin of the name "Keso-keso" or "P'keso" is actually because the way to play this instrument is by swiping, but there are also people who call it "Kere-Kere Galang".





2021年11月5日金曜日

口が音響ボックス/ベトナムのマウス フィドル

 クニー  k'ni (k'ny)

クニーは、ベトナムの弦楽器。弓で弦を擦って音を出すが、音を増幅する方法が特殊だ。

クニーには 楽器自体に音響増幅のボディは存在せず、演奏者の口腔で響かせる。弦を取り付けている根っこのあたりから出ている一本のヒモを歯でくわえて、口まで響きを伝えるわけだ。
口の形(口腔の大きさ)を変えることによって音質を変化させることができるので、しゃべっているように奏でることができる。
マウス・フィドル (mouth fiddle) との愛称もある。




2021年10月3日日曜日

セガンクル segankuru

 空き缶の弦楽器


セガンクル (segankuru) / セガバ (segaba)
セガンクルは、大きめの空き缶を共鳴器にしてある。木の棒のネックに1本だけ弦が張られていて弓で擦って演奏する。弦を擦る方法は独特で、弓をグリグリと回すように擦る。

セガンクルは、娯楽としての楽器で、演奏しながら唄を歌う。
ボツワナ以外にも南アフリカなど他の地域でも愛用されていて、多くの名前が存在する。セガバ、セビンジョロ、セセケトセケなど 各地域の名前がある。




2021年8月16日月曜日

エチオピア 1本弦の弓奏弦楽器

 マセンコ


エチオピアのマセンコ(Masenqo)
The Masenqo from Ethiopia is a box shaped instrument with a bow.
マセンコ(Masenqo)は、エチオピアで使われている1本弦の弦楽器で 三日月型の弓で擦って音を出す。
音響ボックスは、4枚の木の板を組み合わせた菱形で、表面全体を山羊皮が覆っている。
チューニング用の棒は背が高く、本体に立てたブリッジも背が高い。当然、弦は高い位置に張られているので、音程を変えるのは指を弦に押し当てるだけでネックに押さえ付けることはない。
演奏者はストラップをつけて立って歩きながらでも演奏できる。また座って演奏する場合は膝の間に音響ボックスを置いて演奏する。

形状は一定ではなく、ティグレ民族、アムハラ民族、オロモ民族の人々で大きさやヘッドの形状が変わる。

マセンコを演奏している男性のイラスト
ストラップで吊り下げて演奏


2021年7月14日水曜日

ゲイチャク

 Ghaychak

Ghaychak (Qaychak) is a bowed stringinstrument used in Iran, Afghanistan, Pakistan and Tajikistan.

Ghaychak (Qaychak)  イランのゲイチャク
ゲイチャクは、イランの楽器で、アフガニスタン、パキスタン、タジキスタンなどでも使われている弦楽器。弓で弦を擦って音を出す。
弦は4本でフレットレスネックを備え、ボディはダブルチャンバー。ダブルチャンバーというのは二つの領域に空洞を持つということで、一方は表面は解放されていて、もう一方はブリッジが乗っかる部分で皮を張ってある。
イラン人とバローチ人(イランの他にパキスタン、アフガニスタンのバローチスターン域に居住するイラン系民族)が愛用している。


Ghaychak bass

西洋のチェロを意識した(のだろう)、大型で長いエンドピンを付けたゲイチャクもある。
英語で gheychak bass という名前で呼ばれることもあるようだけど、実際は コントラバスの音域ではなく(おそらく)チェロの音域なのだろう。
gheychak-bass





2021年6月4日金曜日

古代ペルシャの弦楽器

 カマンチェ (ケマンチェ)

The Kamancheh (Kemanche) is a bowed string instrument used in Persian, Azerbaijani, Armenian, and Kurdish music.

カマンチェ (ケマンチェ ) は、主にイランで使用されている弦楽器。古代ペルシャを始めペルシャ、アゼルバイジャン、アルメニア、クルドの音楽で愛用されている。

کمانچه فارسی Kemanche カマンチェ

西洋音楽では通常扱わない微分音を駆使する。ただし、現在のカマンチェはバイオリンと同じ4本の弦をオープンで「G、D、A、E」に調律しているようだ
古くは弦に絹が使われていたが、最近ではスチール弦が使われている。

共鳴ボックスは瓢箪または木でできており、子羊や山羊の皮で覆われており、時には魚の皮使うこともある。
楽器を支えるためのスパイク(長いエンドピン)が下部に配置されており、演奏者は腰をおろして楽器を立てた状態で演奏する。

「カマン」が「弓」のことで、「チェ」は「小さな」という意味だという。「小さな弓」という言葉をこの楽器の名前にあてたのだろう。




2021年5月6日木曜日

カザフスタンの弦楽器

 コブズ Kobyz

The Kobyz (Qobyz) is an ancient Turkic peoples string instrument. It has two strings made of horsehair. 

Traditionally kobyzes were sacred instruments, owned by shamans.

シャーマン(shaman)というのは、霊能力をで、病人や人間関係の問題を解消する役割をもった人のことをさす。日本語では、巫師・祈祷師とか呼ばれる。

祈祷には、音楽がその役割を果たすことがあるが、このコブズも古来よりシャーマンが保有する楽器だったようだ。

コブズは、中央アジアやトルコなど広域に住んでいるテュルク系民族の楽器で カザフスタンの楽器として紹介されることが多い。弓で擦って音を出す楽器であるが、伝統的には弦も馬の毛を使っている。

コブズ Kobyz カザフスタンの弦楽器

The resonating box is usually covered with leather.
本体音響ボディの前面大部分はオープンになっており、弦振動を受け止めるブリッジ部分だけに皮が張られている。




2021年4月8日木曜日

インドの楽器/民族楽器

 サリンダ

The sarinda is a Indian Bowed string instrument.
It is played with a bow and has between ten and fifteen strings. The bottom part of the front of its hollow wooden sound-box is covered with animal skin.

sarinda サリンダを演奏している男性のイラスト

サリンダは弦楽器のインドの擦弦楽器。
それは弓で演奏され、弦の数は定まっておらず多いものでは15本ほどの弦を持っている。 中空の木製サウンドボックスの前面の下部は、動物の皮で覆われている。
インドには、古来よりドドロバナム (dhodro banam) という楽器があり、サリンダは この楽器がルーツであるといわれている。


インドの楽器:ドドロバナム (dhodro banam) のイラスト

ドドロバナムは、サンタール人(Santhal people)によって宗教的儀式に広く使用していて、サリンダはこの楽器がもとになったようだ。
スコップの様な形や、胴体の先端部分に皮を張ってあるという特徴は、サリンダだけではなくインド周辺の国・地域の楽器でも見られる。


Web楽器事典

2021年3月2日火曜日

低音大三味線

 豪絃

豪絃(ごうげん)は三味線を大型化して、低音にしたもの。特殊な楽器なので一般化している楽器ではない。

杵屋佐吉の豪絃(ごうげん) 低音大三味線

上の写真の豪絃は、通常の三味線のように はじいて演奏するように設定されているようだ。(大きな画像を見る ....)


4代目・杵屋佐吉(きねやさきち 1884年 ~ 1945年)

1922年 (大正11年)、低音三味線(セロ三味線)、1923年末にはその三味線のコントラバス版ともいえる低音大三味線(豪絃 ごうげん)を考案。

また、三味線と洋楽との合奏や、三絃協奏曲といったコンチェルト形式の楽曲も始めている。

Gohgen(豪絃 ゴウゲン) : Giant Bass Shamisen
7代目・杵屋佐吉(1953年 ~ )
明治生まれの四代目・世杵屋佐吉が開発した巨大三味線を、孫の七代目・佐吉が生まれ変わらせた。
弓で演奏するバージョンは、7代目・杵屋佐吉が始めたようで、駒(ブリッジ)を棹に近い場所に位置される。
この豪絃は、弓で演奏するため、中木先(エンドピン)が長めで、駒(ブリッジ)の位置が棹よりの位置になっている。






2021年2月10日水曜日

低音の馬頭琴

 イフホール ikhkhuur

イフホール ikhkhuur 低音の弦楽器
イフホールはモンゴルの低音弦楽器。デッカイ馬頭琴。
コントラバスを意識した楽器だろうな。ただし、標準の馬頭琴と同じ弦は2本。





2021年1月12日火曜日

ギジャク ghijak

スパイク・フィドル(spike fiddle)は、音響ボディの中をネックがエンドピンまで貫いた構造になっている弓奏弦楽器の総称。

世界各地にこの構造を持つ楽器が存在するが、ギジャクもそのひとつ。

ギジャク (ghijak) を演奏している人物のイラスト
ギジャクは、アフガニスタン、タジキスタン、カザフスタンから中国西部の新疆ウイグル自治区あたりまで、広い地域で使われている。

4本の弦があり、ボディは丸い形。スパイクフィドルの一種であるので、このボディを柱となる棒がヘッド、ネック、エンドピンとして貫いている。エンドピンと表現したが、正確にはピンではなく、脚の上に楽器を載せるため、半円状になったスタンドがついている。

この楽器のもとはペルシャのカマンチェ(kamancheh)。ペルシャの楽器がギジャクという名前になり、中国西部まで伝わったのだろう。カマンチェとギジャクは、ほぼ同じ形をしている。

The ghijak is a group of related Spike-fiddles*.
used by Afghans, Uzbeks, Uyghurs, Tajiks, Turkmens, and in the Xinjiang province of western China. 

*spike-fiddles : Any of a number of stringed instruments in which the handle (head, neck and endpin) passes diametrically through the resonator and which are played with a bow.




2020年12月6日日曜日

タウス / ディルルバ / エスラジ

 タウス taus

タウス taus を演奏する女性のイラスト
タウスは、パンジャブ州の北インド地域の擦弦楽器。シーク教徒の6番目の教祖である Guru Hargobindによって作られた。
20本ほどのアーチ型金属フレットを備え 孔雀の体と首をデザインしていて 孔雀の本物の羽根も飾られている。 共鳴弦を含めると28-30本の弦が太くて長い木製ネックに張られている。


ディルルバ dilruba

インドの弦楽器、ディルルバ dilruba
ディルバはタウスに由来し、10番目のシーク教徒の Guru Gobind Singh によって作られた。ディルバはタウスのコンパクトバージョンになるように設計されており、シーク教徒の軍隊が馬に乗って運ぶのをより便利にしていいる。


エスラジ esraj

インドの楽器、エスラジ esraj
エスラジはディルバをさらに改良したもの。

(以上は Wikipedia を参照)




2020年11月9日月曜日

クレタンリラ cretanlyra

 クレタン・リラ (Κρητική λύρα) は、ギリシャ南方の地中海に浮かぶ島、クレタ島の弓奏弦楽器。

形状や演奏方法などからトルコの ケメンチェ などと同じ系統の楽器のようだ。

バイオリンなどのように、指板に弦を押さえつけて音程を変えるという方法ではなく、弦の横から指の背面(爪)を弦に押し当てて音程を変える。

クレタ島の楽器 cretanlyra Κρητική λύρα クレタンリラ を演奏する女性のイラスト

cretanlyra



クレタンリラの形状のまま、図体を大きくしてチェロのように脚の間に挟むようにして演奏するものもあり、ジャイアント・リラと呼ばれているようだ。

giant cretanlyra γιγάντια λύρα ジャイアント クレタンリラ

giant cretanlyra





弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。