2012年4月17日火曜日

リットグィット

弦を擦って音を出す、弓奏楽器とか擦弦楽器とか呼ばれている楽器・・・いったいどこで生まれたのだろう。
インドの南にあるセイロン島だ。いや、モンゴルの騎馬民族だ。西アジアのペルシャあたりに違いない・・・とか。

でもね、弦を擦って音を出す楽器は一箇所の地域から発生したとするのは、そもそもおかしいのではないかという気もする。だって音楽好き人間は世界中にいるんだから、あっちでもこっちでも「擦る弦楽器」が誕生するのはすごく当たり前ではないのかなと思うんだけど、どうでしょう。

このイラストは、東南アジアの楽器。これは原始楽器としてフィリピンかどこかで「独自に発明」されて作られたのかもしれないし、擦るという発想がモンゴルあたりから中国・ベトナムを経て伝わったかもしれない。
この楽器は、確かに原始的ではあるけれども、これが弓奏楽器のルーツとはかぎらない。音楽好き人間は楽器を作りたくてしょうがなくて、どこか見知らぬ国の楽器を模倣したかもしれないし、その辺の材料で独自の実用新案で竹フィドルが完成したということもある。
弓奏楽器・擦弦楽器はどこで生まれたか。
それは、どこでもいいじゃん。たぶん、全世界の音楽好き人間が作ったのであって、地球上の一箇所で生まれたのではないとするのが、普通の考えではなかろうかな。楽器のDNA鑑定ができるのならルーツが分かるだろうけど、そうはいかない。

このバンブー・フィドルは、フィリピンで リットグィット(litguit) と呼ばれているようだ。竹が豊富な東南アジア。音楽好きな民族。歴史的な背景や他国からの文化の伝承があろうがなかろうが、そりゃ、作るでしょうね、音楽好きは。
弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。