インドの南にあるセイロン島だ。いや、モンゴルの騎馬民族だ。西アジアのペルシャあたりに違いない・・・とか。
でもね、弦を擦って音を出す楽器は一箇所の地域から発生したとするのは、そもそもおかしいのではないかという気もする。だって音楽好き人間は世界中にいるんだから、あっちでもこっちでも「擦る弦楽器」が誕生するのはすごく当たり前ではないのかなと思うんだけど、どうでしょう。
このイラストは、東南アジアの楽器。これは原始楽器としてフィリピンかどこかで「独自に発明」されて作られたのかもしれないし、擦るという発想がモンゴルあたりから中国・ベトナムを経て伝わったかもしれない。
この楽器は、確かに原始的ではあるけれども、これが弓奏楽器のルーツとはかぎらない。音楽好き人間は楽器を作りたくてしょうがなくて、どこか見知らぬ国の楽器を模倣したかもしれないし、その辺の材料で独自の実用新案で竹フィドルが完成したということもある。
弓奏楽器・擦弦楽器はどこで生まれたか。
それは、どこでもいいじゃん。たぶん、全世界の音楽好き人間が作ったのであって、地球上の一箇所で生まれたのではないとするのが、普通の考えではなかろうかな。楽器のDNA鑑定ができるのならルーツが分かるだろうけど、そうはいかない。
このバンブー・フィドルは、フィリピンで リットグィット(litguit) と呼ばれているようだ。竹が豊富な東南アジア。音楽好きな民族。歴史的な背景や他国からの文化の伝承があろうがなかろうが、そりゃ、作るでしょうね、音楽好きは。