2010年8月23日月曜日

ディルルバ

ディルルバ
ディルルバはインドの弓奏楽器。
胴の表面には皮を張ってあり、同じくインドのエスラジとよく似ている。胴の形を見ると、エスラジは「ムンクの叫び」に似た長丸で、ディルルバは「食パンマン」に似ていて、ご覧の通り四角い。

フレットはアーチ状になっており、指板上にくっついていないので弦を押さえるとチョーキングがかかる・・・はずなのだけど、なぜかあまりチョーキングを多用しないみたい。
ほとんど一本の弦を擦りつけて鳴らす。弦を押さえる左手の指は一本の弦の上を滑らすようにしてなだらかに音程を変える。
共鳴弦が張り巡らされているのはインドの弦楽器の特徴ではあるけれど、ディルルバは、もうこれ以上、糸巻きペグを付けるスペースがないぞ、というくらい共鳴弦だらけだ。
ネックがやたら太いのは演奏用のメロディー弦のためではなくて共鳴弦にスペースをとられているのだね。

弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。