2013年5月12日日曜日

ヴィオロン・アルプ

ヴィオロン・アルプ violon harpe
ヴィオロン・アルプ violon harpe
ふざけて描いたのではない。
その昔、ヨーロッパの人は、胴体を大きくして共鳴を良くしようとして、こんなヒョウキンな形のヴァイオリンを作ったのですね。さらなる高音質を求めてあくなき挑戦をしたのだけれど・・・成功はしなかったようです。

これは「おたふくヴァイオリン」とでも呼びましょうか。
いやいや、「黒沢隆朝の世界楽器大事典」によると、ハープ・ヴァイオリン とかいう名が付いていて、フランスでは ヴィオロン・アルプ とよばれていたようだ。
あれこれと試行錯誤をしたようでボディの輪郭は一定していなくて、いろいろな形のものが存在する。弓奏楽器なので弓の角度を変えても弦にうまく当たるようにボディのウエスト部分はへこんだままにしておかなければならないので、こんなデザインにならざるを得なかったのだろう。

さてさてやはり、私には、どうしても「おたふく」に見えてしまう。f字形のサウンドホールは、ニヤけたタレ目だもの。
弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。