モンゴル民族の弓奏楽器。弦は2本。
馬頭琴という名前の通りヘッドには馬の彫刻がある。馬の曲線美と胴体のそっけなく四角い箱は、なんかこうアンバランスな感じがするんだけども ・・・・ いかがなもんだろう、もう少し胴体も曲線を活かしたデザインにするほうがいいのにな、てなことは余計なお世話ですな。
馬のシッポで弦を擦って音をだしたのは、この馬頭琴が最初だという説があるが、他にもあれこれとそれらしい説があるので、どれが本当か実のところよく分かっていない。ともかく、弓の毛は馬のシッポであることはよく知られたことであるが、本来の馬頭琴は弦も馬のシッポを使う。現在では時代の要求に合わせてナイロン弦がつかわれているようだ。
弦と指板は離れていて、弦は指板に押さえつけずに指先で触れるよにして音程を変える。中に浮かんだ弦の上を滑らせるように演奏するので、スラー、ポルタメントがかかる。そして、ビブラートは押さえる強さで調整することになる。
日本では馬頭琴と書いて「ばとうきん」と読むが、中国でも馬頭琴という漢字が当てられていて、これは マー トゥ チン と発音するのかな。外蒙古/モンゴルではモリンフール(モリンホール)で、漢字では莫林胡爾。内蒙古ではモリン・トルゴイ・ホーレなどと呼ばれている。