中国の代表的な弓奏楽器。弦は2本。
筒状の胴に大蛇の皮を張ってある。ネックは棒状で指板がない。指板が無いので弦を強すぎず弱すぎず押さえて指の位置で音程を決める。
押さえ方が弱いと音程がとれずキーキーと甲高い音になってしまうし、強く押さえると音程が上がる。とはいえ、音程が上がって変化することを効果的に使い、あの二胡独特のクネクネとしたメロディの流れが生まれるんだけれども。
二胡の弓は弓奏楽器の中では特別な使いかたをする。他の弓奏楽器は伝統的なものであっても、バイオリンの弓を代用して使うことがある。
バイオリンは量産されているので(弓も量産されているので)手に入りやすいし、楽器の弓としては性能がよいので民族楽器固有の伝統的な弓より扱いやすいからだろう。
だけど、二胡の弓は代用がきかない。本体の2本の弦の間にはまり込んでいるんだもの。そして、二胡の弓の毛はゆるゆるだ。弱い張力で取り付けられているので、演奏する時は弓を持った右手の中指とくすり指で毛に張りを与えながら弦をこする。
毛は弦と弦の間にあるので、1弦(外弦)を弾く場合と、2弦(内弦)を弾く場合とで、弓毛の張りの強さを変えることも必要。かようなわけで、バイオリンの弓を代用して使うわけにはいかないのだね。