2010年8月7日土曜日

インザド

アフリカの楽器ヒョウタンは楽器の材料としてよく使われる。特にアフリカでは多い。
ヒョウタンに皮を張れば太鼓になるし、マリンバの原型とされるバラフォンは音響の筒として使っている。表面にビーズを張りめぐらせて撫で付けると ”シェケシェケシャカシャカ” と音のするシェケレというリズム楽器になる。音響増幅の胴として弦楽器にも利用される。

インザドはアフリカの楽器で大きなヒョウタンが使われている。北アフリカ(アルジェリアなど)で演奏されている弓奏楽器だ。
女性が弾く楽器で、演奏することにより、その音で体の病を取り除いてくれるという。

円形の胴体はヒョウタンを半分に切断したもので、共鳴用の膜は、ヤギや牛の皮だ。皮は太鼓のようにヒモでしばり張り付けたり、鋲(びょう)でとめたりしてある。
弦は1本で、弓は文字通り「弓矢の弓の形をした弓」で演奏する。

アフリカには他にもヒョウタンに獣の皮を張った弦楽器でインザドとよく似た作りの楽器がある。インザドは擦弦楽器(弓奏楽器)だけども、弦をはじいて音を出す弦楽器(撥弦楽器)ではコラボロンがある。
弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。