馬の毛で弦を擦って演奏する楽器は世界中のどこで生まれたかは定かではないのだけれども、アラブ圏で演奏されていた弓奏楽器が西へ東へ伝来したのは確かなようだ。
油絵キャンパスに棒を差しこんで弦を張り付けたラバーブはヨルダンやエジプトのもの。
エジプトよりもっと西へ行くと、ヘチマのような形をしたラバーブがある。ヘチマ形ラバーブはアルジェリアのもの。ジブラルタル海峡を渡り、ヨーロッパにも伝わった。
地域によって発音が違うし、文字も違うので名前はどんどん変わる。例えば、日本人は基本的にカタカナ表記できる発音しかしないので、カナで書くとラバーブ、ルバブ、ラババ、ラバーバ・・・などなど。元の発音とかなり違っているかも分からない。
さらには、弓を使わないで弦を指やプレクトラム(ピック)ではじいて弾くものも同じ名前が使われているので「ラバーブとはこれだ」と、特定しにくい。東南アジアでもラバーブの名をもつ弓奏楽器が多数ある。