タラワンサはインドネシア・ジャワの楽器で、稲の女神に感謝を捧げる祭典の音楽担当。この式典は収穫された米、芋、野菜、果物を供物として捧げ、田畑を守ってくれたことを感謝する儀式だ。厳かなるバックグラウンドミュージックに使われる古来よりの伝統楽器であり、民族芸能としての音楽と舞踊の名称もタラワンサというようだ。
(アジア太平洋地域無形文化遺産データベースを参考にさせていただいた)
東南アジアにはたくさんの弦楽器があって、弓で弦を擦る弓奏楽器も多種多様。東南アジアの弦楽器は、モンゴルや中国から伝来したのか、インドの楽器が渡来したのか、古来より現地民族で独自に竹筒琴から発達したのか・・・いずれにしても多種多様。インドネシアではアラビア起源のラバーブを、そのままの名称でガムランに組み入れて使っていたりもする。
このタラワンサは、どういう起源を持つのかはよく分からないにしても、なんか馬頭琴(モリンホール)に似てる。角型の共鳴胴に2本の弦。ネックはあるけども指板がない。
バイオリンを代表として指板に弦を指板に押さえ込む弓奏楽器を目にすることが多いので、指板がないのは特別のように思ってしまうけれども、弓奏楽器には案外とこの手の弦楽器は多い。タラワンサの場合、左手をジャンケンのパーの形にして、それぞれの指で弦長を操作する。
スコップの形をしているけど、田畑の豊作を願うため、農耕器具からデザインされたのだろうか。そんなことはないか・・・いや、そうだったりして・・・。