2012年10月14日日曜日

チュニリ

グルジアのチュニリ
グルジアのチュニリ
西アジアのグルジア。
グルジアは Georgia で、アメリカ合衆国のジョージア州の Georgia とつづりが同じなんだね。偶然なのか、何か因果関係があるのか・・・さあどうだろう、これはまた別のところで調べるとして。

チュニリはグルジアの弦楽器。弦を弓で擦って音を出す擦弦楽器であり弓奏楽器。唄の伴奏として使われる。
片面皮張りの ハンド・ドラム に棒を差し込んだような作り。弓奏楽器にはこの作りの楽器が世界中にあってる。たしかこの構造の弦楽器をスパイク・フィドルとか言ったはずだ。

薄い板を丸く曲げて片面だけに皮を張ってあり、裏板がないので底なしボディだ。
ブリッジは山形になっておらず、まっすぐで、3本の弦を同時に鳴らせる。ずっと和音を出し続ける。三味線のようにベースになる音 ・・・ ドロー音 ・・・ を出すように演奏しているのかもしれない。

弓は、家庭では服を掛けるためのハンガーになる・・・・かもしてないけど、おそらくハンガーには使わなくてチュニリ専用だと思う。弓の毛には松脂(まつやに)をつけるのだけれども、松脂はあらかじめ胴体の横に溶かしてくっつけておく。松脂補給が必要な時は、溶着松脂にグリグリと毛を擦りつけるという実用新案である。

アフファベットで Chuniri とか Chianuri とか書かれてあるので「チュニリ」または「チャヌリ」とも言うんだろうな。このイラストは茶色に塗ってあるので、「茶塗り」でいいかもしれない。
弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。