ハーディ・ガーディ |
弦をこすって音を出す弦楽器は世界中いたるところに存在していて、たくさんの種類がある。それらは、馬のシッポの毛を取り付けた棒で弦をこする。馬のシッポには摩擦抵抗を増すために松脂を塗りたくってある。擦弦楽器のほとんどが、いや、総てといっていいくらいこの方法(弓 Bow)で音を出す。
つまり、擦弦楽器=弓奏楽器 としても(ほぼ)間違いはないようだ。
そんな中で特別なのが、このハーディー・ガーディー。弓を使わずに木製の円盤をハンドルを使ってくるくる回す。円盤には松脂を塗ってあって摩擦によって弦が震えて音が出る。
すでに11世紀ごろには オルガニストルム という、「円盤回し係」と「メロディ係」の二人で演奏する大型の楽器があった。ハーディーガーディーは、ひとりで両手を使って演奏可能にした、オルガニストルムの改良版ということなんだろう。
ハーディー・ガーディーは、ヨーロッパ・ルネッサンス期(15~16世紀ごろ)には とても人気のある楽器だった。楽器の名前や形状は違えどもヨーロッパの西から東にかけて全土で演奏され、さらにはロシアにも普及している。