2017年2月2日木曜日

日本の弓奏楽器

胡弓とか胡琴という名前は、中国の二胡(にこ/アルフ)なども含めて東アジアでの弓奏楽器の総称になっているようだ。そんな中で日本には胡弓と書く楽器が2種類ある。

 胡弓はそのまま「こきゅう」と読むが総称ではなく個別の名称として「こきゅう」だ。三味線を小さくしたようなデザイン。
 そして、琉球にも胡弓があり、これは「クーチョー」と読む。こっちは三線(さんしん)の胴体を丸くしたようなデザイン。
胡弓 こきゅう
こきゅう

胡弓 クーチョー
クーチョー

弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。