弦を馬の毛でこする という弦楽器(弓奏弦楽器)の発祥の地はどこなんだろう
- モンゴルあたりで生まれた。
- いや、ペルシャあたりの西アジアで生まれたんだ。
- 違う、インドかセイロンあたりに違いない。
- さらには、エジプトだという意見も。
あれこれと突き詰めることに熱心な方もおられるようだけど、私としては弓奏弦楽器がどこで生まれたかと特定する必要なんかないんじゃないとも思ったりする。一箇所の特定の場所で生まれたのではない。世界中に音楽好きの人が住んでいるんだから、東西南北、複数の地域で生まれたと考えるほうが自然じゃないかな。
「胡」の意味は
今回登場する中国の弓奏弦楽器はどこからやってきたかという事を考えてみても、なにかよくわからない状態になってしまう。二胡とか京胡、そして総括した名前の胡弓・胡琴とかにある「胡」という文字をキーワードとしてとらまえるてみよう。中国からみて西側の地域が「胡」であり、シルクロードの意味合いも含まれているという。ということは「胡」は西アジアのことである。 このあたりをふまえてだろう、二胡の祖先はペルシャあたりから伝来したという記述をよく見かける。
しかしながら「胡」は、もともと西側ではなく、もっと古くは北側の地域を意味する言葉であったという。それならモンゴルの方角から伝来したということになる。
楽器ではないが「胡」のつく名前としては、胡椒や胡麻がある。これらの植物を育てて栽培を始めたんはインドらしい。ということは「胡」は中国からみて南のほうを指すのか。 それとも胡椒や胡麻はインド→ペルシャ→中国 と回り回って伝わったから、西側から伝来した植物といことになるのか。
ね、よく分からんでしょう。
二胡(erhu/アルフ/にこ) |
弓の馬毛はこの2本の弦の間に挟まっていて、本体と一体になっている。
細長いネックがついているが、指板がなく弦は中に浮いている状態。
なので、ビブラートやスラーを効果的に効かせることができる。クネクネとした独特のメロディを奏でることができるのは、この構造と演奏方法によるものである。
中胡(zhonghu/チョンフー/ちゅうこ) |
四胡(sihu/スーフ/しこ) |
京胡(jinghu/ジンフ/きょうこ) |
板胡(banhu/バンフ/ばんこ) |
墜胡(zhuihu/ツイフ/ついこ) |
革胡(gehu/ゲフ/かくこ) |
缶詰のような筒型の音響胴に細長いネックを取り付けたスタイルの弓奏弦楽器は、東アジア独特のデザインで、北はトゥバやモンゴル、南はベトナム・タイ・カンボジアでも愛用されている。