2021年1月12日火曜日

ギジャク ghijak

スパイク・フィドル(spike fiddle)は、音響ボディの中をネックがエンドピンまで貫いた構造になっている弓奏弦楽器の総称。

世界各地にこの構造を持つ楽器が存在するが、ギジャクもそのひとつ。

ギジャク (ghijak) を演奏している人物のイラスト
ギジャクは、アフガニスタン、タジキスタン、カザフスタンから中国西部の新疆ウイグル自治区あたりまで、広い地域で使われている。

4本の弦があり、ボディは丸い形。スパイクフィドルの一種であるので、このボディを柱となる棒がヘッド、ネック、エンドピンとして貫いている。エンドピンと表現したが、正確にはピンではなく、脚の上に楽器を載せるため、半円状になったスタンドがついている。

この楽器のもとはペルシャのカマンチェ(kamancheh)。ペルシャの楽器がギジャクという名前になり、中国西部まで伝わったのだろう。カマンチェとギジャクは、ほぼ同じ形をしている。

The ghijak is a group of related Spike-fiddles*.
used by Afghans, Uzbeks, Uyghurs, Tajiks, Turkmens, and in the Xinjiang province of western China. 

*spike-fiddles : Any of a number of stringed instruments in which the handle (head, neck and endpin) passes diametrically through the resonator and which are played with a bow.




弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。