この形状の弦楽器は、古い時代にリラとかライアとか呼ばれていた形。いわゆる竪琴であるが、これを弓で弾くという楽器がヨーロッパにある。特に北欧で愛された楽器だ。
弦をこすって音を出す弦楽器は一般的には「有棹弦楽器」とかいう聞きなれない名称が付いていて、棹(さお:つまりネックのことだね)があるのが普通だが、ここで紹介する楽器はリラ(竪琴)の形をしていて、棹(ネック)が無い。
現在では、ほとんど廃れてしまった楽器であるが、復活させて楽しんでいるミュージシャンもいる。
ヨウヒッコ
jouhikko |
ヨウヒッコは、フィンランドの弓奏弦楽器。
3本の弦をいっぺんに弓で擦って、3本とも同時に音を出す。メロディは、一番手前の弦に指を当てて音程を変える。
エストニアの楽器は角ばった長方形で、まあ、あまりデザインにはこだわっていなかったようだ。
ちなみに、ヒーウ(Hiiu)とは、エストニアの地域の名前。バルト海にある島(Hiiumaa)だ。カンネルは弦楽器のこと。
なので、日本語表記するとヒーウ・カンネルは「ヒーウ琴」というところか。「津軽三味線」みたいな名付け方だ。
シェトランド グー
shetland gue |
グーは、シェトランド諸島で使われてきたリラ型の弓奏弦楽器。シェトランド諸島はイギリスとノルウェーの間にある群島。
この楽器も、ヨーロッパの北部ノルウェー、スウェーデン、エストニア、フィンランドなどで使われてきた、擦弦楽器と同系列だろう。 アイスランドの擦弦楽器にもっとも近いとも云われている。
クルース
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クルースは、竪琴の形であるが、ネックが備わっている。
ヨーロッパではクロードとかクロットとか、名前はそれぞれだけど流行りの楽器だったようだ。
ウェールズでは、18世紀ごろまで民族楽器として愛されていたそうな。