2022年2月10日木曜日

ガムランの弓奏弦楽器

 ルバブ rebab

インドネシアのガムランは、青銅や木製の打楽器を中心に演奏する民族音楽を指す名称。
ガムランの楽器は、他の音楽では ほとんど使うことがない個性的で独創的なものが揃っている。
打楽器中心であるが、弦楽器もある。その一つがルバブ。

インドネシア ガムランのルバブ rebab
床に立てて演奏するガムランのルバブ

ルバブという名前は、アラブ圏全体で使われている「ネックが備わる弦楽器」の総称のような名前で、エジプト、そして地中海沿いの北アフリカでもこの名前が使われている。
ただし、地域ごとに方言があって、似てはいるものの若干違う名前が多く存在している(ラバーブ、ラババなど)。

インドネシアもアラブ圏の文化が濃い地域であるので、ルバブという名前が使われているのだろう(ルバブという名前は日本語カタカナなので、この発音が正しいのかもよく分らないのだけど)。

ガムランのルバブは、チーク材で作られた音響ボックス本体の表面には皮が張られていて、裏側は装飾された布をかぶせてある。
弦は真鍮が使われていて、張りが弱いためか、あまり煌びやかな音とはいえないかもしれない。


弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。