2011年6月24日金曜日

トルムシャイト(トロンバマリーナ)

ヨーロッパの古楽器である。

中世(1400年ごろ)にはすでに存在していて1700年ごろまで使われていたという。
小さなトルムシャイトは手に持つことができるくらいで1メートルほど。大きなものでは、2メートルほどある。
このイラストは弦が1本であるが、3本~4本の楽器もあり、共鳴用の弦をそなえていたりする。1614年~1620年に発刊されたドイツの音楽大集(シンタグマ・ムジクム)には、4本の弦を持つトルムシャイトが描かれている。
大型のトルムシャイトはコントラバスやチェロと似た格好で演奏するが、指板がなく弦を押さえることはしない。弦に触れて音程を変える。フラジョレットで演奏するわけだ。長い弦が張られていても、フラジョレットなので比較的高い音が出る。
ドイツではトルムシャイトであるが、イタリアではトロンバ・マリーナで、つまり「海のラッパ」という呼び名がある。英語のマリン・トランペットもイタリア語からきたものだろう。
なぜトランペット(ラッパ)なのか・・・・フラジョレット(倍音)で演奏するため管楽器と同じだからという説。もともとイタリアでは「海上でおこる竜巻」をトロンバマリーナと呼んでいて、この竜巻の形が、この楽器ととてもよく似ているからという説。・・・・
さてさて、海のラッパは、謎のまま現在に至っている。
弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。