2013年3月10日日曜日

クレタン・リラ

ギリシャ・クレタ島のリラ
地中海・クレタ島の弓奏楽器
ギリシャ・クレタ島の伝統的な弓奏楽器。
もともとはアラブ圏から、弓で弦をこする楽器がヨーロッパへ伝来し「レベック」とか「フィドル」とか呼ばれ、たくさんの楽器が派生した。

クレタ島リラ・・・Cretan Lyra・・・は、英語であって、「リラ」が本来の発音に近いかどうか分からないけれども日本では「リラ」とカタカナ書きするのが一般的。その他に、リュラ、ライアーなど多くの方言がある。

古代ギリシャでは、リラ(λυρα)というのは、ネックの付いていない 竪琴(たてごと) を意味するようであったが、中世のヨーロッパでは弦楽器の総称としても使われるようになった。
おそらく、クレタ島ではネックのついた弓奏楽器に「リラ」という名を受け継いで、その音楽文化の中で独自に発展させてきたのだろう。

ヘッドにはバイオリンと同じスクロール(渦巻き)をかざしていたり、ウォームギアのチューニング機構が組み込まれていたりで、作りやデザインは変化してきているものの、クレタ島でリラといえば、ネックのついた3本弦の弓奏楽器を指す。
ヘッドの付け根の裏側にフック状の出っ張りがついていて、左手は弦を押さえつつ、楽器をぶら下げるようにして弾くこともできる。
弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。