地中海・クレタ島の弓奏楽器 |
もともとはアラブ圏から、弓で弦をこする楽器がヨーロッパへ伝来し「レベック」とか「フィドル」とか呼ばれ、たくさんの楽器が派生した。
クレタ島リラ・・・Cretan Lyra・・・は、英語であって、「リラ」が本来の発音に近いかどうか分からないけれども日本では「リラ」とカタカナ書きするのが一般的。その他に、リュラ、ライアーなど多くの方言がある。
古代ギリシャでは、リラ(λυρα)というのは、ネックの付いていない 竪琴(たてごと) を意味するようであったが、中世のヨーロッパでは弦楽器の総称としても使われるようになった。
おそらく、クレタ島ではネックのついた弓奏楽器に「リラ」という名を受け継いで、その音楽文化の中で独自に発展させてきたのだろう。
ヘッドにはバイオリンと同じスクロール(渦巻き)をかざしていたり、ウォームギアのチューニング機構が組み込まれていたりで、作りやデザインは変化してきているものの、クレタ島でリラといえば、ネックのついた3本弦の弓奏楽器を指す。
ヘッドの付け根の裏側にフック状の出っ張りがついていて、左手は弦を押さえつつ、楽器をぶら下げるようにして弾くこともできる。