2015年6月6日土曜日

オルトゥ

オルトゥ:ケニア・ルオ族の弓奏楽器
オルトゥ
リズム、旋律。人はなぜ音楽という得体のしれないもの手に入れたのだろう。いつの頃からか本能として持ち合わせるようになった。
音楽は芸術としてのカテゴリー。絵画、彫刻も芸術だが、絵画や彫刻は外部からの情報をカタチにしたもので、もとは、すでに世界中にある物象を模倣したものだ。
絵画、彫刻、音楽など。これらを芸術としてひとまとめにすることがあるが、音楽は同じ芸術でもその出処が決定的に違う。音楽は、もともと世の中に存在しない。人間内部から発生したものだ。
人類が音楽を必要としたその発生の原動力は何だろう。
アフリカ。人類が生まれた場所。何十万年も前、ヒトという動物の時代からすでに音楽というものが生まれる素を持っていたのだろうか。

アフリカの楽器を紹介するはずが、なんか違うことを書いてしまった。以上は、このブログの楽器紹介とは直接関係はない。たまたま、昨晩、人類の発生云々の本を読んでいたため話がそれてしまった。

イラストの楽器は、オルトゥ
ケニア・ルオ族の弓奏楽器。円筒形のボディに皮張り。ネックは丸い棒で指板はない。弦は1本だけでネックと距離をおいて張られている。
細かいリズムを伴うメロディを刻み、唄の伴奏として活躍する。


弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。