弓奏楽器はアジアでもアフリカでも楽器は立てて演奏するものがほとんど。ヨーロッパには腕で支えたり顎に挟むものもあるが、世界的に見ると特殊な構え方だ。「膝に載せる」か「脚に挟む」かのいずれかが標準だろう。高音で小さめの楽器は膝に立てて載せる。低音の楽器は図体が大きくなるので脚に挟んで縦に構える。
ここでは比較的低音で脚に挟む弓奏楽器を紹介することにしよう。現在においてはチェロがその代表的なものだが、古い時代や、また地域によっていろんなのがある。
アルぺジョーネ arpeggione |
ビオラ・ディ・ボルドーネ (viola di bordone)
バリトン baryton (viola di bardone) |
表には6本のメロディ。裏側にはハープのように弦が張られており親指ではじく。弓奏楽器と撥弦楽器が組み込まれていて、左手は大忙し。英語ではバリトン(Baryton)。
リローネ lirone (lira da gamba) |
ヘッド(糸倉)に直角に差し込むようにペグ(糸巻)が取り付けられている弦楽器を「リラ」と呼ばれていて、いろんな大きさのリラがあった。この大きさなら Gamba(脚)で支えるというわけだ。リローネ(Lirone)とも。
ビオラ・ダ・ガンバ (viola da gamba)
ヴィオラ・ダ・ガンバ viola da gamba |
チェロ (cello)
チェロ cello |
革胡 (ゲフ)
ゲフ 革胡 |
中国の伝統的な楽器である二胡のデザインを残したまま中国版チェロに仕立てた。
チャガネ (chagane)
チャガネ chagane |
西アジアにはボディの底が丸くなった弦楽器が多いが、この楽器も底が丸く(ラウンドバック)になっている。
チュニリ (chuniri)
チュニリ chuniri |
長方形の板をグルッと丸めて円筒にして、その表面に皮を張ってある。メロディを弾くより、3本弦でコードを奏でることが多い。
マセンコ (masenko)
マセンコ masenko |
四角いボディに皮を張ってある。生活を歌い綴る吟遊詩人が伴奏として使う。