2019年5月1日水曜日

トロンバマリーナ tromba marina

トロンバマリーナは、ヨーロッパの古楽器で、1本の弦を弓でこすって音を出す。長い楽器なので床に置き、肩や胸などで支えて構える。

この楽器の名前。トロンバはラッパのことで、マリーナは海。つまり海のラッパという名前だ。
おかしい。この楽器は弦楽器である。ラッパではない。まして「海のラッパ」とは何たることか。
ある書籍を読むと、なぜ「海のトランペット」とかいう名前になったのかは不明であると書いてある。別の本にも語源は不明と書かれてあったりする。トランペットの様な音がするから、と書いてあるのもあった。そうかなあ。
トロンバ マリーナ Tromba marina を演奏する人のイラスト
インターネットで「Tromba marina」を検索すると、海上で発生する竜巻の画像が出てくる。そうそう、その竜巻はっ水面から空の雲に向かって円錐状に伸びていて、長いラッパの形をしている。とんでもなくでっかいラッパだ。
この竜巻こそが Tromba marina だ。つまり、この細長い弦楽器の名前は、海の竜巻の形状から来ている。と、思うんだけど。たぶん。

語源はともかく、トロンバマリーナは、わりと大きな楽器で弦も長いのでコントラバスみたいに低いベース音を出すのかと思いきや、そうではない。比較的高い音が出る。それは、ハーモニックスで演奏(倍音を出す)するからだ。
弓で擦る位置も、私達がよく知っているバイオリンやチェロなどとは違い、弦を押さえている位置より手前部分を擦る。1本の長い弦は分割されて震える(つまりハーモニックス)ので大きな楽器なのに高い音になるんだ。
トロンバマリーナ(トルムシャイト)
ドイツなどではトルムシャイトと呼ばれていて、片手で支えて演奏する小型の楽器もあったようだ。




自由に使えるイラスト
楽器を演奏している人物のフリーイラスト
Musician Clip Art
上のサイトのイラストは、楽器単体だけではなく演奏者と共に紹介しており、あまり馴染みのない珍しい民族楽器や昔むかしに活躍した楽器を中心に紹介しています。
Musician clip art は、有名なミュージシャンを描いています。
弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。