2022年11月16日水曜日

トゥアレグ族の一本弦楽器

 インザド

インザド inzad imzad アムザド amzad
トゥアレグ族はアフリカ・サハラ砂漠の西部あたり、主にアルジェリア、マリ、ニジェール、などに住む民族。
トゥアレグ族には個性的な1本弦の弦楽器がある。
その弦楽器はインザド(imzad inzad または アムザド amzad)とよばれ、女性が演奏する楽器だそうだ。楽器を製作するのも女性が行っている。
インザドは大きな瓢箪を半球形に加工して表面に獣の皮を張ってある。ブリッジは細い木の棒を2本、山形に立ててある。弓奏弦楽器であり、弓の毛も弦も馬の毛を使っている。

インザドを演奏するトゥアレグの女性
インザドを演奏するトゥアレグの女性
インザドは女性専用の楽器とされている。主に歌の伴奏として演奏されている。

弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。